Column&Interview年賀状やビジネスはがきを利用したモデルをご紹介

名刺データの本当に大事な情報はそこではありませんよ

2015年12月22日

もういくつ寝るとお正月…という懐かしい唄を耳にしても違和感がないような年の瀬になりました。紅白や金銀の色鮮やかな正月飾りや足早に駆け回る挨拶回りの人々賑わうオフィス街など、新年に向けた思いを巡らしながら、名刺の整理をされている方も多いと思います。

年始回りには、真新しい名刺に謹賀新年の朱色の判をおして、何十件もの取引先を回ってひたすら名刺交換することを「仕事始め」にしている人も多いのではないでしょうか。名刺を大事にする日本のビジネス慣習をかいま見ることができる風物詩ですね。

それにしてもビジネスで交換する名刺の数は膨大です。加えて、今では、学生や一般の方もパーソナル名刺を持つ時代です。インターネットが普及し始めた2000年の始め頃、名刺情報は個人情報か否かという議論が活発に繰り広げられました。今でもその議論はグレーゾーンに入ったままです。背景には名刺を利用する目的の複雑化があります。

名刺には、企業名、住所、電話番号、ファクシミリ、氏名、メールアドレス、所属部署、役職、ホームページなどの情報が書かれています。この情報の中で、自分にとって本当に重要な情報とは何かを考えたことはありますか。

その意味を考えることはそのまま、何のために名刺交換をするかに行き着きます。個人的な交友関係を築きたいためでしょうか。ビジネスの成果を最大化するためのチャネル構築のためでしょうか。業界の動きを自分の仕事に生かすための情報収集でしょうか。それとも……。

実はそれを考えながら名刺交換している人(組織)はそれほど多くありません。

名刺による組織の可視化でリスクを回避する

名刺を手に取った時、「名前」と「肩書き」だけに注意を向ける人が多いように思います。しかし、名刺交換した相手の名前や肩書きに目を取られていると、その担当者が転職したりや部署異動するといったリスクが常につきまといます。

宛先不明で戻ってきた年賀状で初めて担当者の退職に気がつくといったこともこの時期ですね。継続的なビジネス環境を構築するためにはこうしたリスクをできるだけ排除していかなければなりません。

ビジネス上のほとんどの取り引きは個人ベースで進むのではなく、組織と組織の間で行われるものです。つまりは一番重要なのは、名刺の中にある部署の情報へのアクセスポイントの確保です。

実は先に上げた、名刺を取り巻く個人情報議論で常に出てくるのは、このポイントです。全ての議論がこの意見に集約されるわけではありませんが、外してはいないように思います。

円滑な人間関係構築がビジネスの潤滑剤であることは否定しません。しかしこのご時世、部署の統廃合など日常茶飯事。突然、その部署も担当スタッフも変わってしまうことはざらにあります。

ビジネスを継続的に展開するために部署の責任者、統括役員までを把握しておくことは半ば常識です。それに加え、担当者の部下もしくはアシスタントまで含めて「ライン」と考え、組織全体を可視化しておくことをお勧めします。

他部署への異動や退社でその業務を引き継ぐのは、担当者のサポートにあたっていた若手スタッフという場合がほとんどです。また、アシスタントの移動は多くはありません。これができれば、フォローすべき部署への情報提供もより確実になり、重要なドキュメントが宛先不明で戻ってくるといったこともなくなるはずです。取引先をラインで把握しておくメリットは、ここにあります。

そのためには、名刺情報のデジタル化を、名前を入力するというスタンスから「名刺情報で組織図を可視化する」といった目的に組み替えることが大事になってきます。その組織図で足りない要素は何かを常に心がけ、訪問時にその足りない情報を埋めるべく、現行の担当者に紹介してもらうようになるでしょう。